制作会社の廃業に備えて、手元に置くホームページの情報
制作会社の廃業に備えて、ホームページの何を手元に置くか。契約・入口・連絡先・バックアップの4つと、パスワードを分ける書き方、紙・共有フォルダ・アプリ・預けたままの4つの置き場所を比べます。

決算の書類を棚に戻すついでに、「ホームページ」と書いたファイルを引き出した。
厚みのわりに、軽い。
開くと、中は作ったときの見積書が1枚だけ。
サーバーの契約も、ログインの入口も、作った会社の担当の名前も、挟まっていなかった。
そのファイル、今開いたら何が入っていますか?
この記事は、ホームページの制作や管理を外の会社に任せている、会社やお店の方に向けて書きました。
制作会社の廃業に備えて、手元に置いておく情報と、その置き場所の比べ方を並べます。
制作会社の廃業に備えるのは、相手と連絡が取れるうち

東京商工リサーチの集計では、2025年の情報通信業の休廃業・解散は4,189件。
前の年より15.2%の増加。
Web制作会社だけの数字ではないし、あなたの依頼先がやめるという話でもない。
ただ、作ってくれた会社も、ずっと同じ形で続くとは限らない、ということ。
廃業に備える一番の近道は、相手が元気なうちに聞いておくこと。
連絡が取れなくなってからだと、同じことを調べるのに何倍も手間がかかるんです。
相手が急に連絡が取れなくなったとき、廃業かどうかの見分け方は、ホームページの制作会社が廃業したら、先に分ける3つの状態にまとめました。
保管しておく情報は、4つの「どこにあるか」

手元に置くのは、細かい設定ではない。
次の4つが、どこにあって、誰が知っているか。
- 契約:ドメインとサーバーの契約者の名前、更新の月、払い方
- 入口:管理画面・メール・アクセス解析の、ログインするページのアドレスと、入れる人の名前
- 連絡先:作った会社の窓口の人、サーバー会社のサポートの窓口
- バックアップ:どこにあるか、いつの分か、誰が戻せるか
項目を細かく埋める一覧は、ホームページの制作者と連絡が取れないときの確認項目一覧に並べています。
この記事で考えたいのは、その一覧を「どこに置いておくか」のほう。
1枚にまとめても、置き場所を誰も知らなければ、冒頭の軽いファイルと同じになるので。
パスワードの本文は、一覧に書かない

一覧に書くのは、「どこにあるか」と「誰が知っているか」まで。
パスワードそのものは、別の所に分けて置く。
一覧は、何人もが見るもの。
経理の人、新しく入った担当、次に頼む制作会社。
そこにパスワードまで書いてあると、見せたい相手にも渡しにくくなる。
逆に、分けてあれば、一覧はそのまま次の人に渡せるんです。
一覧の行は、たとえばこんな形。
項目 | 書くこと | 書かないこと |
|---|---|---|
サーバー | 契約者の名前・更新の月・ログインのページ | パスワード |
管理画面 | 入れる人の名前(2人) | パスワード |
バックアップ | 置き場所・いつの分か | 中身のファイル |
「パスワードはどこ?」と聞かれたら、置き場所の名前だけ答えられる状態にしておいてくださいね。
置き場所を4つで比べる

保管の場所に、正解は1つではない。
会社の人数と、普段パソコンを開く人で変わる。
置き場所 | 開ける人 | 書き直しやすさ | 作った会社がいなくなったとき |
|---|---|---|---|
紙のファイル | 棚の場所を知る人 | 書き直しが面倒で、古くなりやすい | 手元に残る |
社内の共有フォルダ | フォルダに入れる人 | 書き直しやすい | 手元に残る |
パスワード管理のアプリ | 招待した人 | 書き直しやすい | 手元に残る。ただし契約者が辞めると開けなくなることがある |
作った会社に預けたまま | 作った会社 | 頼めば直る | 一緒になくなる |
いちばん下の行だけ、右の列の答えが違う。
預けたままの形は、相手が元気なうちは一番楽で、いなくなったときに一番困る形なんです。
紙でも共有フォルダでも、自分の会社の中にあれば、廃業への備えとしては足りる。
差が出るのは、書き直しやすさのほう。
一覧を古くしないのは、書き直す日を先に決めること

一覧は、作った日から古くなっていく。
担当が替わり、カードが替わり、サーバーの会社が替わる。
なので、書き直す日を、起きることに結びつけておく。
- 契約更新のお知らせが届いた月
- ホームページを見る担当が替わった日
- 作った会社と、修正のやりとりをした日
3つ目は、見落としやすい所。
作った会社とやりとりしているときが、いちばん聞きやすいときでもあるからです。
「ついでに、バックアップがどこにあるか教えてもらえますか」
修正のお願いの最後に1行足すだけで、一覧の空いた行が1つ埋まる。
迷ったら、2つの質問で置き場所を決める

置き場所で手が止まったら、この2つで決める。
- 社内で、毎日パソコンを開く人は2人以上いるか
- その2人とも、置き場所を言えるか
1も2も「はい」なら、共有フォルダかパスワード管理のアプリ。
1が「いいえ」なら、紙のファイルで十分。
2が「いいえ」なら、置き場所より先に、もう1人へ伝える。
ぼくはWordPressで100サイト以上を作ってきて、今も1人でお客様のサイトの管理を受けています。
作る側の自分も、いつまで同じ形で続けられるかは言い切れない。
だから、持ち主の手元に一覧がある形のほうが、頼まれる側としても話が早いと思っています。
一覧のどの行が空いているか、自分では分からないときは、無料の管理状態チェックで確かめてください。
外から見える情報と、いくつかの質問への答えをもとに、先に確かめたい項目を並べます。
次にあのファイルを引き出したとき、紙が1枚増えている。
廃業への備えは、そのくらいの重さで始められます。


